カンボジアでは、義務教育を終えただけでは働ける場所が少なく、自立が困難です。HGは日本語教室や養護施設を運営して子ども達の自立に向けての支援を続けています。親や家がないNCCC(NewChildCareCenter:養護施設)の子ども達は手に職をつけなければ自立して生きていくことができないため、職業訓練が必要となります。
バン・サオピア(NCCC出身)は、本人の強い希望と受け入れ先があったことで日本に留学。岡山学芸館外国語学校で日本語を学びながら、カモンRで美容師の研修を。翌年4月からは専門学校岡山ビューティモード(OBM)に入学、本人の努力と多くの方々のご支援で2年間の勉強を終え卒業、3月末に美容師免許証(国家資格)を取得しました。

ご支援いただいた皆様に
2013年、生まれて初めて飛行機に乗り、不安と希望をもって日本にやって来ました。それから3年がたった今、3月16日に、専門学校岡山ビューティモードを無事卒業することができました。また3月31日に美容師国家試験結果が発表され、実技・筆記共に合格することができました。
日本語と美容の勉強は本当に大変でしたが、皆様からの応援を頂いて頑張れました。関係法規・衛生管理・美容保健・物理・化学・美容理論と難しい専門用語ばかりの授業で、果たしてこの先ついていけるかどうか、すごく、すごく不安でした。
この道を選んで本当によかったのかと、何度も思いました。でも、自分で選んだ道だから進むしかないと、これから何が起きるとしても頑張るしかないと思い直しました。だれにも負けたくない。人間は誰でも能力がある。ちゃんとやればできる。自分を信じることが大切だと。私の前には道がない、進んだ後ろに道はできる。そう教えられ、いろいろなことを乗り越えられました。
つらいことも、苦しいことも、たくさんあります。でもそれを乗り越えなければ、幸せが来ない。強い気持ちで生きて行けば、神様は天国から見守ってくれるし、いい人生をプレゼントしてくれます。私の母はなくなる前に、「私がいなくてもあなたたちのことは神様からの見守りと助けがある」という言葉を残してくれました。
私の幸せは何か?いつも考えました。私だけの幸せはありません。私の家族、私の友だち、センターの子ども達、まわりのみんなの幸せが、私の幸せにつながります。カンボジアの国のために、人のために私も役に立ちたいのです。貧しい子ども達が、自分で仕事をして、生きて行けるように、私が学んだ技術を教えたいと考えています。
ここまで来られたのはたくさんの応援して下さる皆様のおかげです。日本に来て、何の心配もなく勉強のことだけを考えて過ごせたのは生まれて初めてのことでした。
カンボジアに帰って、一人前の美容師となり、皆様が私をサポートして下さったように、今度は貧しい子ども達が希望をもって生きて行けるようにサポートしたいと思っています。これからも、サオピアがんばれ!と応援してください。
日本は私のもう一つのふるさと・家族です。
最後に、みなさまのご健康とお幸せを心からお祈りしています。
バン・サオピア