今年もカンボシアより、セク・オウンさん(43)とモック・ブントゥーンさん(33)が、かすみがうらマラソン大会参加のため来日しました。HG会員の皆さんやスポンサー企業のサポートのおかげで、感謝!感謝!感謝!でいっぱいの充実した滞在ができました。2人は、アンコールワット国際ハーフマラソン2007の入賞者で、有森賞として来日する機会を得ました。挨拶より抜粋して、ご紹介します。

○セク・オウンさん
カンプチア人民共和国の陸軍広報官として兵士徴硲の任に就しヽてしヽた1985年、同僚の兵七20名を連れて歩いている時、数名が地雷を踏み、その爆発により3名が命を落としました。救助に向かった私も不運にも地雷を踏んでしまいました。
 当時の私は、絶望のあまり死を望みました。家族の必死の説得で、自殺という愚かな考えを捨てました。
 半年後に私は退院し、家族と暮らすために故郷に戻りました。兄は私の義足をVIに注文してくれました。義足が出来上がり装着した際に、私はVIで働きたい旨を願い出て、それが聞き入れられました。仕事で地方に出向いた時に、私と同じ地雷の犠牲者である現在の妻と出会いました。
 1997年12月3日、カンボジア全土をあげて、身障者関連団体が国際身障者デーを祝いました。その時開催された競技会の400メートル走に参加し、第2位となりました。その後、身障者アスリートにスポーツ用の義足を提供する競技会で選抜され、マレーシアに行くことができました。そして、今回日本に来ることができました。ハート・オブ・ゴルード、かすみがうらマラソン実行委員会、私を支援してくださるすべての日本人に、そしてカンボジア障害者陸連の身障者アスリート達にお礼を申し上げます。

○モック・ブントゥーンさん
私が走り始めるようになったきっかけは、1996年の第1回アンコールワット国際ハーフマラソンでした。自力でトレーニングした私は、10kmロードレースに出場し、第3位に入賞しました。そして、カンボジア代表選手として、海外の大会に参加する機会を与えられました。走ることを通じて有名になり、何よりカンボジアではもちろん、外国にもたくさん友人ができたことが私にとっての一番の財産です。
 私は8人兄弟の長男として育ち、家はとても貧しく、トゥクトゥクという乗り物の運転手をしていますが、アスリートになって賞金を得ることで、私は家族を支えることができるようになり、家族も喜んでくれています。自分の経験を生かして、将来は陸上のコーチになりたいと思っています。
 現在、アンコールワット国際ハーフマラソンは賞金レースではないのですが、私は毎年、走り続けています。賞金レースでなくても、私はこの大会が好きです。この大会に参加することは、喜びであり、年中行事です。
 今も毎日、トゥクトゥクの仕事の前後、朝の4時半から6時までと、夕方5時から6時まで、独力でトレーニングをしています。そして、私はあきらめずに練習をして、今回の賞を受け日本に来ることができました。