平成22年度も昨年度に引き続き、「国際ボランティア貯金に係る寄附金の配分による事業」としてスバイリエン州にて保健科教育支援事業を行っています。今年度は昨年よりも対象小学校を増やし、スバイリエン州の中心地であるスバイリエン郡の小学校6校を対象に、小学校教員の保健科教育に関する知識と指導技術の向上を目指して取り組んでいます。
8月には日本の現職小学校教員の4名の方々に専門家としてご協力頂き、4日間に渡って第1回教員育成講習会を開催しました。この講習会では、「計画」「教材」「指導方法」「評価」と4つのテーマを持って、それぞれ専門家の先生方に講義を行って頂きました。講義の後は低学年・高学年担当のグループに分かれグループワークを行い、講義で勉強した教材作成、指導方法や評価の仕方を実践してみる活動を行いました。ロールプレイや手に入る材料で作る教材、〇×サインを使用して子ども達の理解度を計る評価の方法など、多くの新しい技術や手法を学び、カンボジアの先生達もとてもいい表情をしていました。
その後9月には、8月の講習会に参加した先生方が講習会で学んだことを自分の学校の先生達と共有する、伝達講習会が各校で実施されました。他教員の前で発表する先生方は少々緊張している様子もありましたが、8月の講習会で学んだことをたくさん取り入れた発表が見られました。質疑応答タイムには、お互いにアドバイスをしたり、活発な意見交換が行われたりと先生方の意欲がとても感じられました。また、11月に行った第1回巡回モニタリング指導では実際の授業実施をモニタリングしましたが、ここでもこれまで学んだことや受けたアドバイスを活かして新しい教材や指導方法に挑戦する姿が見られ、少しずつではありますが保健科の授業内容に変化が起きてきています。
今後も、12月末に岡山県の小学校教員3名を専門家として迎えての第2回教員育成講習会、そして1月と2月に巡回モニタリング指導と活動が続きます。カンボジアの子ども達の健やかな生活の為に保健科教育の質が向上することを願って小学校の先生方を支援していきます。