私が初めてカンボジアに訪れたのは2013年3月、筑波大学が企画したグローバル人材育成ツアーに参加したことがきっかけでした。私は人生の大半を水泳競技に費やしてきましたが、実力主義の日本のクラブ制度に幻滅した時期も多々ありました。スポーツに対して複雑な心境を抱きながら訪れたカンボジアで、単純な運動を心から楽しんでいる子ども達に出会い心を打たれました。
それ以来「将来を担う子ども達の選択肢を増やしてあげたい」と強く思うようになり、翌年も同じツアーに参加し、本格的に開発課題と休育・スポーツの関係性に興味を持ち始めました。しかし、同時に短期間のツアーで観察・理解することに限界も感じ、短期滞在ではなし得なかった、詳細を見て知る為に今年の9月から半年間、HGでインターンシップをしながら学ぶ決意をしました。現在は、主に小学校の体育科教育の普及事業に携わり、NGO職員の苦悩と喜びを日々目の当たりにしています。特に、これまでなかったものをから作り上げて普及していくことがどれだけ大変で、膨大な時間と労力を必要とするのかを学んでいますが、事業に関わるすべての関係者が「体育で国を変えることができる!」と信じていることに勇気をいただいています。
日常生活では、今のところ大きな怪我も病気もなく、人々の優しさに触れながら1日1日を過ごしています。衣・食・住、どの点をとっても、日本にいた時より充実しているかもしれません。
業務時間外では、オリンピックスタジアムのプールに出向き、カンボジアでの水泳の様子を観察しています。一般開放の時間では、ー多くの子ども達が楽しく水に入っている姿を見て、泳ぎ切るだけが水泳の目的ではなく、プールが水と親しむための重要な場となっていることに気がつきました。
これらの発見から、自身の特異性を提供することで「金銭ではなし得ない喜びや活力が得られるのでは」と考えるようになりました。この思考は三度のカンボジア滞在から得た現在の答えです。
インターン活動も折返し地点にきました。様々な可能性を再確認させてくれたカンボジアで活動できることに喜びを感じつつも、残りの時間で自分のできることを見付け、行動し、今度は将来を担うカンボジアの子ども達に還元していきたいと思っています。どうぞ、よろしくお願いいたします。