独立行政法人国際協力機構(以下、JICA)との共同事業で進めている「カンボジア小学校体育科教育普及事業」の活動として、2014年10月1日から10日間本邦研修を実施しました。今回の参加者は教育・青年・スポーツ省学校体育スポーツ局長(10/1-10/3のみ参加)を始め、同所属のナショナル・トレーナー12名です。
本邦研修の目的は大きく2つあり、1つは日本の体育科教育の実態を観察し、本邦研修終了後に、彼らが現実的に何をカンボジアに適用でき、それを実際にカンボジアにおいて反映させていくこと。そして2つ目は、彼らが今まで実践してきた普及活動を日本の方々にも知ってもらい、自分たちの自信へと繋げることです。
10日間の滞在の中で3つの小学校と1つの中学校、文部科学省、国立教育政策研究所、筑波大学、JICA地球ひろばを訪問し、それぞれに以下のことを学びました。小学校・中学校視察では、日本の体育授業で導入されている新しい種目や先生の生徒をコントロールする効率性の高さに刺激を受け、先生に多くの質問をしていました。また、文部科学省、国立教育政策研究所では、日本の体育科教育の制度的な成り立ちやあり方の説明を受け、現在のカンボジアの体育科教育普及で課題になっている地方行政官の役割や指導要領や指導書の改定の作業手順等について確認しました。さらに筑波大学では、現在の自分たちの能力を再確認するための模擬授業、リズム運動のワークショップ等を実施し、加えて現在のカンボジアの小学校体育の状況を整理し、筑波大学の教授より専門的知見による課題解決に向けた方向性について指導を受けました。
最後にJICA地球ひろばで、クロストークセミナーを開催し、カンボジアの小学校体育科教育普及が開始した経緯等を説明しながら、事業実施に際し、どのような問題や課題があり、それを解決しながら事業を実施しているかを説明しました。セミナーには71名もの方が参加し、初めて聞くカンボジアの体育の話や今まで知らなかったカンボジアの歴史や関係している人たちの実体験に基づく話に耳を傾けていました。
今回研修が終了し、学んだ成果を反映させるために12月25日に教育・青年・スポーツ省の大臣に報告を実施する予定です。プロジェクト・マネージャーとして私自身も報告をしますが、ナショナル・トレーナーからも報告をし、自分たちの言葉で成果を伝える事により、さらなる自信へと繋げ、今後もさらに普及活動を継続していきます。