12月21日「カンボジア王国中学校体育科教育学習指導要領認定式」がカンボジア教育・青年・スポーツ省大臣、日本国文部科学副大臣を始め、多くの方のご臨席を頂き執り行われました。その場でカンボジア側から感謝状と勲章の授与がありました。これは、今までHGをご支援くださった多くの協力者や会員の方々への受賞に他なりません。思えば1996年に「第1回アンコールワット国際ハーフマラソン」に参加し、対人地雷の廃絶をアピールし、被がい者をサポートすることから始まりました。2013年にすべての運営をカンボジア側に全面移譲でき、16ヶ国645人だった大会は、2016年21回大会には85ヶ国9150人の参加者にまでになりました。
2001年から「青少年指導者育成スポーツ祭」(マラソンだけでなく、サッカーなど、日本のプロスポーツ専門家が現地の先生に教え、教えられた先生が子どもたちを教えるプログラム)が始まり、5年間継続した後に、2006年からカンボジアの小学校で体育の授業が出来るように学校体育スポーツ局の皆さんと活動を始めました。
スポーツを通じた国際協力として、NPO(HG)と筑波大学、国際協力機構(JICA)の3者で初めてのケースとして小学校体育科復興事業をスタートさせ、学習指導要領・指導書の作成、普及と10年間の活動が本年9月に終了しました。この事業は、体育教育を受けたことがないカンボジアの担当官とHGのスタッフにとっては、大変な困難が伴いましたが、国づくりに情熱を燃やす方々との活動は、徐々に心を一つにして広がりと深まりを見せ、現在15州の小学校モデル校では子どもたちは新しい体育の授業を受けることができています。
2015年から、スポーツ・フォー・トゥモロ―事業として、日本スポーツ振興センター(JSC)の支援で、中学校の体育科教育に取り組み、この度、学習指導要領が認定されました。カンボジアの復興がカンボジア人よってなされるためには、人材育成が何よりも必要とされます。カンボジアの体育科教育は技能、知識の習得だけではなく、協調性や態度を育成することが目標に掲げられています。カンボジアの児童・生徒の「健やかな体と豊かな心」を育む手伝いができる事を誇りに思います。
最後に、教育は、教え育てると書きますが、私は人間同士「共に育つ共育」こそが最も大切な関係だと思っています。これからも、HGは、会員、協力者のみなさまと共に、学び・育ちつつ活動していきたいと願っています。