恒例のアンコールウォーキング大会出発の広場に集まっているカンボジアの子ども達100人の前に私は立っている。子ども達は、渡されたばかりの私の縫ったお土産袋を隣同士で比べながら笑顔いっぱいで、挨拶しようと立っている私は声を発することが叶わなかった。でも、あんなに喜んでいる子ども達を目にして胸がいっぱいになり、限りない喜びに包まれた。
今から16年前に、子ども達に差し上げるお土産を入れる袋が日本のスーパーで使われている半透明のポリ袋と知り、胸が傷んだ。小さい時から縫物が好きだった私は、子ども達に布袋を渡してあげようと思いいたった。手芸店が小学生の給食袋等のために可愛らしい模様の布地を販売する2月に手芸店を廻って布地を入手した。真夏の暑い日もいとわず百余枚の袋を縫い上げ続けた。
子ども達の喜ぶ笑顔!笑顔!終生忘れない喜びとなった。
高齢をいとわず、子ども達からもらう喜びに浸りながら、これからも布袋を縫い続けよう。