設立20周年を迎えて
代表理事 有森裕子
20年…長かったのか、短かったのか?時間だけで考えると、長かった。しかし、一つひとつの活動を形にするには短いのかもしれない。スポーツだからこそできる「人の内なる生きる力を育む」ソフトの支援、人材育成に力を注いできた。
当時、スポーツを通じた開発には世界的にもほとんど関心が持たれていなかった。カンボジアもスポーツどころではなかった。そんな中、毎年、アンコールワット国際ハーフマラソンや青少年スポーツ大会を経験することで、子ども達にフェアープレイ、協力する楽しみ、がんばる心などが育まれていくのが見え、カンボジア教育省が体育科教育の実施を強く願うようになった。
活動の中で困難に直面したときは、相手と向き合ってとことん話し合った。対話を大事に、決して諦めないで続けたことが、人を変え、自分を変えていった。そして何よりも、現地の子どもや人々の「生きる力と成長」を感じられたこと、また、支援してもらう人も支援する人も共に成長していると感じられることが支えになった。スポーツを通して、心身の健康を育み、希望を持って起き上がるチャンスをつかむ手助けとなるような活動を今後も広げていきたい。