国立体育・スポーツ研究所(NIPES)
体育科コース4年制体育科コース12月開講!
2019年1月より開始した本事業ですが、目標である4年制大学の開講に必要なカリキュラムフレームワークやアドミッションポリシー、評価ポリシー、シラバスといった文書や制度の基盤整備、新しいカリキュラムに従った授業ができる教員や4年制大学としてのマネジメントができる職員の育成、そしてプール建設による設備の充実といった成果を達成することができました。
5月以降、具体的には、「カリキュラム内容検討ワークショップ」を4回(うち1回はPutraMalaysia大学のLianYeeKok教授を招へい)、「評価ポリシー・ワークショップ」を1回(茨城大学の吉野聡教授を招へい)、「教員マッチアップワークショップ」を1回、「体育科コース運営ハンドブック作成ワークショップ」を1回、「体育教員育成ワークショップ」を1回開催しました。カリキュラム策定では、当初2回しか計画していなかったワークショップでしたが、内容がなかなか決まらず5回も開催することになりました。さらに、8月23日から8月29日に「タイ研修」を実施し、カンボジアから4名(教育省次官補1名、NIPES3名)が参加し、タイの3つの大学の体育科授業の視察及び今後の人材育成・交流事業における協力について意見交換を実施しました。体育関連での学位がまだとれないカンボジアでは、タイをはじめとしたASEAN諸国との協力によるNIPES教員の学士・修士取得は必ず必要になってきます。
また、11月14日から23日には「日本研修」(日本体育大学を視察)を実施し、NIPES所長以下6名が参加し、4年制大学の運営について研修しました。
9月15日にはプール建設も完了し、10月4日、5日に「施設管理のためのワークショップ」の実施をもって、施設譲渡契約書を交わしてプールをNIPESに正式に譲渡しました。今後はワークショップに参加したNIPES職員が交代で維持管理を担当します。
10月4日に教育省大臣よりカリキュラムフレームワークの承認が下り、12月からの準備が整い、いよいよカンボジア初の4年制体育科コースの1年目が開講しました。今までの2年制とは異なるより質の高い充実した大学での授業内容が求められるため、NIPESとハート・オブ・ゴールドは、その質を高めるための授業評価や教員育成ワークショップを実施していきます。
今後の予定は体育科コースを試行的に運営しながら、12月に「体育科コース運営ワークショップ」を開催し、NIPESの4年制大学として必要なマネジメント体制への移行を進めます。また、NIPESでの授業をモニタリングし、適切な授業が実施されているかを定期的に確認しながら、授業の質を上げていくよう進めていきます。
来年以降は実際の授業を通じてシラバス等の授業関連文書の改訂、授業の質の向上を図り、4年制大学としての新しいマネジメント体制の定着を図るとともに、プール周辺とジムルームの建設、ジム等のトレーニング機材の整備を行い、教育環境のさらなる充実を図ってまいります。