教育・青年・スポーツ省が独自予算で小学校体育普及のための研修会を実施
ハート・オブ・ゴールドは2006年から教育・青年・スポーツ省と協力して小学校の新しい体育の普及に取り組んできました。その結果、省の内部に人材が育ち、2013年から省の独自予算で講習会を実施、2015年からは指導書を印刷し全国の7000以上の小学校に配布するようになったことは大変すばらしいことだと思います。
講習会は5日間の日程で、内容はこれまでJICA事業で実施してきたものと同じです。最初に、年間計画、学年別計画、時間割、指導案作成の理論と実習、続いて、バスケットボール、器械体操、バレーボール、リズム運動、サッカー、陸上の理論と実習を小学校低学年と高学年に分けて学びます。
対象者は州および郡の教育局の体育・スポーツ課職員のほか、郡の中からモデルとなるクラスター1校を選抜し、その校長と先生6名(1年から6年まで各1名)です。
教育省の統計(2015-2016)によると、カンボジアには現在、7,085校の小学校があり、すべての小学校は1,264のクラスター(学校群)に属しています。平均すれば、1クラスター当たり5.6校です。1クラスターは中心となるクラスター校と数校の衛星校、分校で構成されています。
教育省は全クラスター1,264の内、全国の203郡・市・区(165郡、26市、12区)において、それぞれ1校のモデルクラスター校(全203校)を選抜して、まずそこに新体育を普及する計画です。
カンボジアには1都24州ありますが、これまでに年間数回の講習会を実施し、本年6月には首都のプノンペンを除く24州での講習会が完了します。
7000校以上の全小学校に新しい体育を普及させるためにはまだまだ多くの課題が残っています。しかしながら粘り強く着実に取り組み、すべての子どもたちが新しい体育を楽しむ日が来ることを願っています。