長年の内戦による混乱から急速に復興が進むカンボジア。ほとんどの知識人を殺されたカンボジアでは、今、新時代を担うカンボジア人自身が、草の根の活動によりカンボジアの復興を担い始めています。シェムリアップにある「スナダイ・クマエ」の代表であるメアス・トミ一氏もその中の一人です。
この団体は、1995年に発足したカンボジア人主体のNGO(非政府ボランティア団体)で、クメール語で「カンボジア人の手で」という意味です。活動内容は、学校建設、外国語教育(英語、日本語)、アンコールワットの清掃、地方農民の農業技術及び生産性の向上、孤児院と職業訓練所の建設など多方面にわたっています。しかし、活動資金は十分ではなく日本からの支援が強く望まれています。
内戦によって生じた10万人ともいわれている孤児と、その後も生活苦から生じる孤児が増え続けており、今やカンボジアの深刻な問題となっています。近代化に伴い貧富の格差がますます広がり、地方農民の若年少女売春問題も暗い影を落としています。彼らに生活できる場所が与えられ、教育が施されるならば、将来自立した人間としてカンボジアの国造りに参加できる人材を育成する事ができます。昨年から「スナダイ・クマエ」も孤児院を開設し、4歳~16歳までの孤児23人が日本人ボランティアの佐藤なおさんと共に生活しています。子どもたちは学校に行きながら、野菜を作り牛を飼い、日本語を学び、家作り(今孤児院が建設中)を手伝い、力強く生きています。
《ハート・オブ・ゴールド》としては、マラソン大会と共に、カンボジアの子どもたちの希望と勇気のために、新しい活動を始めたいと準備していましたので、昨年カンボジアを訪れた機会に、代表・有森裕子、副代表・ローレン・モラーの二人が孤児院を訪問し、孤児のため、カンボジアの未来のために活動しているメアス・トミー氏にお目にかかりました。こちらからは絵本と日本の子どもたち(坂戸中学校・平福小学校)からのプレゼント(手紙や文房具)を渡し、スナーダイ・クマエ孤児院の子ども達からは、日本語の歌と絵をプレゼントされ、温かい交流の時間を持つことが出来ました。
また、孤児の援助と共に、その原因である地方農民のための支援も大切な事と考えます。今後、《ハート・オブ・ゴールド》としてはこのような自立を目指しているローカルNGOと協力して、彼らの国づくり、人くりの活動に参加させて頂く事で、われわれも希望と勇気を分かち合えるよう進めていく所存です。事務局としても、一方的に援助するのではなく、相互交流の中で、パートナーとして関わり、最終的には自立援助の企画を考えていきたいと計画しております。(マイ プロジェクト -MyProject-)
これらの活動に皆様が参加する事で、真の国際交流、国際理解、国際協力に携われまた、相互理解、相互信頼を築く事で、平和な21世紀を創っていく事を目指していきたいと思います。
どうぞ、マラソン同様この活動にもご協力、ご支援頂けますようお願い申し上げます。*尚、今回お送りしている通信で、パンフレットを同封させて頂いております。是非ご覧ください。