11月28日秋睛れの土曜日。いよいよサオピアとの初対面の日がやってきました。初対面が日本になるとは夢にも思っていませんでした。最初にどのような声をかけたらよいのか等々、頭では考えるもののなかなかイメージがわきません。
 せっか<日本に来てくれるのだから、彼女の人生にとって記念となるような贈り物ができたら・・・と思い、田代さんに相談しながら、プレゼント(筆箱)を準備したりと、つい最近まで想像ができなかったわくわくした時間をすごしました。
 サオピアと出会って約9年。あどけない子供だったサオピアが、少女に成長し、子供のころあまり得意ではないと言っていたアプサラダンス披露のため選ばれて日本に来るということに胸がつまる思いでした。サオピアの手紙には「わたしはセンターにきて幸せです。ここでは充分に食べることができるし、安全に眠ることができます。もし、ここに来なかったら私はストリートチルドレンになっていたことでしょう」といつも書かれています。私達が当たり前と思っていた、充分食べ、安全に眼ることが幸せだとティーンエイジャーが感じるということに衝撃を感じます。
ディズニーランドでの対面は、最初はよそよそしい雰圃気がありましたが、正式にサオピアのパパとママだと伝えると、9年間いや16年間の思いをすべてぶつけるかのように抱きついてきて、肌の感覚を確かめるかのように思いっきり抱きしめたり、手をつないだりと、私が母に対してしたことのないようなことをしてくれました。そんなサオピアは愛おしい本当の子供のようでした。
サオピアからたくさんのフレッシュな感性をいただきました。
サオピアの私たちに対する最初の質間は、パパはどんな仕事をしてしているのか、そして、子供はいるのか。ということでした。私たち夫婦は結婚12年になりますが子供はおらず、子供はサオピアだけであると告げると、満面の笑みを浮かべていました。サオピア(おそらく全ての子供たちも)は自分の環境が恵まれていることを十分に理解しています。
しかし、残念ながら愛情を独占するということは難しい環境であると思います。
ひとりの子供の成長において、必要な資金を提供する方、実際に現地でささえてくださる方、たくさんの人々の協力があります。
全てが揃わなければ難しいものです。その中で、ハートベアレントというのは、子供たちに自分だけを見守ってくれる存在があるという後ろ盾になる存在だと実感しました。
「できることを、できる人が・・・」というコンセプトの意昧がよくわかった一日でもありました。
彼女たちは本当にしっかり躾けられていて、写真l枚撮った後にも「ありがとうございます。」ときれいな日本語であいさつをしていたことが印象的でした。
サオピアはこれから自立に向けて新たなステップに向かう時期を迎えています。これからも末長くサオピアを見守っていきたいと思います。