今回は、第4地域までの普及状況を踏まえて、本事業の発展状況をお伝えしたいと思います。全体的な計画の流れと、地域巡回指導の流れは以下のとおりです。
○地域巡回指導の流れ(モ:モニタリング)
○全体計画の流れ
さて、本RECTI-PE事業も最終リージョンを目前に控え、ナショナル・トレーナー(以下NT)に多くの主導権を委ね始めています。これまで①体育科教育の指導法、②授業の評価手法、③モニタリング手法、④フォローアップ手法、⑤連携促進の方略・手法、⑥授業研究、⑦統計方略(体育環境調査、体力測定)などについて専門家の助言とサポートを頂きながら、1.人材育成、2.体制整備という視点で独自の支援を行ってきました。
第1~3地域によって段階的に進められてきた主導権の移転は、第4地域のクラチエ州で、①~⑥の支援内容の全てに関する伝達が終了し、HGは後方支援を行い、NTが運営する段階に進んでいます。
また、教育省による自助努力によって、当初、検討されていた小学校体育の「簡易体育施設」(2009)、「体育教具および道具」(2010)、「ワークショップ開催」(2011)などに関する予算が確保され、「教員養成課程に於ける体育授業時間の確保」(2010)が達成されるなど、大きな進展を遂げています。
但し、「基本運動系授業の系統的な授業」、「普及時の地域性の考慮」、「州/郡教委を通じた安定的な支援」、「体力測定結果回収の遅延」など、幾つかの課題点も表面化し始めているため、中央行政のみならず、地方行政や学校を含めた支援方略を強化する段階に来ていると感じています。
7月からは、最終地域巡回を迎えることになりますので、こうした課題を考慮しつつ、活動していきます。あと一歩で全国24州中の5州に各2校の拠点校が設置されることになります。
これまで、JICAや筑波大学、そしてHG専門家ならびに日本の民間企業や学校、そしてHG本部所在の岡山県や岡山市の協力を受けて、ヒト・モノ・カネによるバランスの取れた支援が展開されていますが、未だ、施設不足、教具不足、人材不足、資金不足に悩まされています。引き続きご協力を頂きますよう、お願いします。