本校は、平成8年度から「国際協力」を主軸とした国際理解学習を継続実践しており、5年目になる。その活動の柱の一つとして、平成11年度の3学期(平成12年1月)から、ハート・オブ・ゴールドと連携をとって、「カンボジアプロジェクト」を進めており、現在も進行中である。そのねらいは「カンボジアのスナーダイ・クマエ孤児院の小・中学生と交流活動を続けることによって、環境の違いを乗り越えて心と心の交流を実現し、自分にできることで互いに支えあっていこうとすることができる」と設定している。また、本校は「考えること」「行動すること」の連続による学習を大切にしているため国際協力実践活動を学習に取り入れている。そのための参加貢献の場の設定や専門的知識等の情報・意見交流、外部評価としての役割を、ハート・オブ・ゴールドが果たしてくれている。具体的には、インターネットメールによる交流やオンライン会議、現地との橋渡しなどである。平成13年1月には、代表理事の有森さんが来校し、帰国報告会を開いて、今後の現地への支援活動の方向性について話し合った。
ハート・オブ・ゴールドが毎年開催しているアンコールワット国際ハーフマラソンは、スポーツNGOの特性を生かしたよい企画だと思う。出場申込金を義足支援に全額活用していることや、大会への参加を現地の子どもたちに促すことで、内面から湧き出す「生きる力」を刺激し、また世界へ地雷被害の実態を伝えることに役立つている。本校の子どもたちも、カンボジアについて調べるなかで地雷について知ることができ、そういう大会ならぜひ何か応援したいと考えた。交流しているスナーダイ・クマエ孤児院の子どもたちも出場すると知って、子どもたち全員へ手作リのはちまきを縫ったり、応援用の横断幕も作り自分たちの気持ちをあらわした。
国際協力をテーマにした交流をする場合、現地には日本の学校と交流を継続するための体力(物理的・金銭的)がないことが多い。また、日本の小学校も現地の情報をリアルタイムで知ることや、現地との双方向の交流をするための手段をもっていない。インターネットメールは、日本側はできても、現地はできない場合が多い。そういう状況のなかで現地との行き来の機会を本校に知らせてくださったり、作品や贈り物を届けてくださったり、さらに帰国報告会によって現地の子どもたちの様子を伝えてくださったりするハート・オブ・ゴールドのきめの細かい支援のおかげで、本校の子どもたちの「交流したい!応援したい!笑顔を見たい!調べてみたい!」というテーマが達成されているといえる。さらに平成12年9月よりハート・オブ・ゴールドより現地に派遣されている日本語教師とは、インターネットメールのやりとりが可能になったため、自分達のくらしと比較しながら、カンボジアの子どもたちの現実を考えることができるようになった。
しっかりした理念をもち、ひとつひとつのプロジェクトを大事にし、責任をもって丁寧にやりぬける範囲で活動を推進していることや、次代をになう子どもたちの国際理解学習へのサポートをプロとして内容面、方法面から無償で継続的に行い、本校の子どもたちとの心の交流も実現していること。現地への支援活動をある意昧で簡単にお金や物で解決しようとしないで、心を支え、自立へのエネルギーを自ら生み出せるような環境支援を行っていることなどハート・オブ・ゴールドヘの期待は今後も大きいものがある。(6年担任青山順子)