カンボジア、プアク地区の貧困層の住民に野菜栽培技術を移転し、農作物の栽培技術取得をすることによリ収入増加につながリ、貧困からの脱却と自立への手助けを目的とする。
2000年度からの継続事業で、1年目は当地区の気候と土壌に適合する農作物を見極めるために、日本の専門家による技術移転を通じて、穀10種の作物(野菜)の実験栽培を行った。2年目は引き続き専門家派遣により、技術移転を行うとともに地域研修所を建設し、灌漑設備なども整備し、現地の農村に研修を始めた。また、将来の収入を考え、果樹の実験栽培も開始した。3年目は、近隣農家10村の農家において、実験場での研修とともに巡回研修を行いより多くの貧困層の農民に野菜栽培の研修をし、農業技術の広い波及を目指した。
♦2002年度の活動
このプロジェクトでは、農家の生活を良くするためには、まず農家のそれぞれ保持している農地を100%活用できるようにもって行くことを目標とした。
技術指導以前には、農地活用率は保有の農地の10~30%であった。しかし巡回技術指導「郵貯派遣専門家から受けた技術(土の作リ方、土の改良仕方、苗の作り方、堆肥の作リ方、作物の手入れ方法)」により、農民は栽培技術を習得し、それぞれの農地に適切な野菜栽培を始めた。その結果、現在の農地活用率はほぼ100%に達している。農民は栽培することで収入が得られたため、野菜栽培に対する自信を持つようになり、さらなる収入の安定化を偲るために、野菜栽培の慈欲が高まってきている。
また、これまで出稼ぎ生活を補ってきた農家の子供は親代わりに牛や兄弟の面倒を見なければならないことと、お金がなかったために学校に行けなかった子供が多かった。現在、出稼ぎ農家の中には野菜栽培の収入で生活を補う部分が出てきたので、子供を学校に行かせる状況が少しずつ出てきた。
♦今後の支援
今後は意欲はあるが貧困で野菜栽培を始める資金がない農家に、栽培のための小規模融資(基本的に物品の無利息ローン)を行い、技術移転後の各農家が自ら野菜栽培を行うことにより、収入に結びつく計画経営を進められるよう農業関係の小規模融資を実施し貧困農家の自立促進を図ることが望ましい。