神戸垂水ロータリークラブ(坂井良行会長)との協力で、カンボジア・コンポントム州のテチョーミヤ小学校に建設しました。かつて同クラブの奨学生で神戸に留学していたルム・リアッセイ(プノンペン大学教授)の母校であり、建設後もリアッセイ教授が協力できることから、この小学校に決定されました。
HGにとって初めての図書館建設であり、手探りのプロジェクトでした。まず、5月にはカンボジアで信頼できる建設業者を探すところから始め、複数の建設業者から見積りを取り、図書館として機能するためには何が必要なのかを考えながら、見積り項目の1つ1つを比較精査し、必要な項目と金額を確定させました。その後、坂井様・テチョーミヤ小学校・建設業者・HGの4者による契約書や覚書を、それぞれが理解できる言語(英語・クメール語・日本語の3言語)で作成し契約の後、11月から着工しました。
建設工事が始まってからは、車で片道4時間かかる建設現場を定期的に訪れて、設計書どおりに建物が建てられているか、予定どおり進捗しているかを確認し、最終時には、校長先生からの新たな要求を受けて建物の周囲に1メートル幅の舗装工事を追加しました。
2月、盛大なオープニング式典が開催され、正式に図書館を小学校へ引き渡すことができました。式典には、日本から来訪された同クラブの方々11名をはじめ、コンポントム州教育局長、テチョーミヤ小学校の皆様にご参加いただききました。館内には、坂井様達が寄贈されたクメール語の絵本が本棚に並べられ、式典が終わった後、さっそく子ども達は待ちわびていたかのように図書館の中に入り、大きな声で本を音読し始めました。子ども達が喜んで本を読んでいる姿を見て、労苦も癒されたと感じました。
そして、この事業は単に図書館建築というハード面だけでなく、先生方が司書の研修を受け、毎日クラスごとに図書館を使った授業が組み込まれるなど、ソフト面も考えられており、子ども達にとって有効な事業となったことを確信しました。