活動理由
カンボジアの8割を占める農民は非常に貧しく、そのため、子どもを手放さざるを得ない家庭が多くあった。子ども達が成長しても就職は困難を極めており、もし、日本語が話せたならば、ホテル、レストラン、ガイドと仕事が見つかる可能性は高く、自立のために現地の多くの人々から日本語教育支援の強い要請を受けた。HGは日本語教育のための派遣教員として、2000年9月から桧尾睦先生をシェムリアップに派遣した。現地調査の結果、シェムリアップの最も貧しい地区の一つであるチェイ小学校内において、2001年6月より無料の日本語教育を始めた。2002年には、チェイ小学校校内に独立した日本語教室を新築して、現在では4クラスが毎日1時間ずつ日本語を学べるようになった。日本語教育には高等教育という理由で、助成金がほとんどなく、下記の団体の寄付で活動できている。
活動概要
- 人数:「つばき組」(8名)「ばら組」(13名)「すみれ組」(18名)「チューリップ」(名25) 計64名
- 時間:月曜日~金曜日 午前7時~10時、午後12時~3時
- 内容:つばき組,ばら組(日本語検定2級、3級目標)
日本の学校との交流(14年目)
日本の学校からの支援物資(手作り日本語教材、手作り遊び、手作りカルタ、手作りカレンダー、文房具等)を送ってもらい、日本語教室内は日本からの心のこもった教材や掲示物で飾られており、その教材を使って授業が進められている。2008年より岡山学芸館高等学校の高校生が、2012年から岡山学芸館清秀中学校の中学生が研修旅行として、シェムリアップで数日滞在し、日本語教室で子ども達と大変有意義で、すばらしい交流が出来ている。
教室訪問・物資支援
2014年12月15日:岡山学芸館高等学校の生徒50名と先生4名が日本語教室訪問。授業に参観し、声に出して読む日本語の「早口言葉」、「尻取り言葉」、落語の「寿限無」を勉強した。狭い教室に80人近い生徒が参加したがみんな真剣で、大変な盛り上がりだった。その後交流。全員によるダンスで盛り上がる。それから、2つのグループに分かれ、1グループはサッカー大会。暑さをものともせず、みんな懸命にボールを追っていた。もう一つのグループは「コースター作り」をした。それぞれがとてもユニークで、かわいいコースターがたくさん作れた。準備万端、たくさんの材料があったので次の日はサッカーチームもコースター作りをした。後日、自分が一番気に入ったコースターに「ありがとう」のメッセージを書いて学芸館の皆さんにお礼として送った。有意義で素晴らしい交流となった。
2015年1月19日:岡山学芸館清秀中学校の生徒30名と先生4名が日本語教室訪問。「動詞可能形」の勉強をした。授業の中で、清秀中学生が日本の国歌を歌い、日本語教室の生徒がカンボジアの国歌を歌って交流した。学芸館の校歌も1番を日本語教室の生徒が歌い、2番を清秀中学校の生徒が歌い、大変盛り上がった清秀中学校の皆さんがとっても喜んでくれた。心の通った素晴らしい交流となった。その後、「現地で一緒に作る」のテーマでいろいろ日本的な物を作って楽しんだ。訪問団体、学校、企業、個人支援者の皆様より、靴、制服、文具、日用品などの支援を多数受けた。
卒業生の動向
日本語教室を卒業した生徒の動向としては、日本語ガイド、看護士、日本語教師、地元企業での勤務、遺跡修復施設の日本語案内、調理専門学校で修行中、ホテル勤務、地元旅行会社勤務、俳優養成所勤務等々、それぞれ自立して頑張っています。 大学に通って頑張っている青年もいます。
今後の活動
HG睦日本語教室は2015年1月末をもって閉校した。チェイ小学校内での初級日本語教室を継続するとともに、多くの青少年が日本語を学べるように、中級・上級日本語講座の開設を準備している。留学を希望する青少年に機会を与え、日本企業への就職を視野に入れて活動を広げる。
支援・協力団体
コニシ(株)、大光電機(株)、留学里親、那須食品㈱、岡山学芸館高校・清秀中学校、倉敷平成ライオンズクラブ、岡山外語学院、姫路東ロータリークラブ、個人支援者、岡山市立福島小学校、第三藤田小学校、政田小学校、平福小学校、西大寺小学校、野谷小学校、曽根小学校、伊島小学校