カンボジアでの小学校体育振興事業の成果を図るため、また「スポーツ文化の楽しさをみんなで体験すること」を目標に、新しい体育の授業を実施している拠点校において、行政と学校が主体となった運動会実施支援の3年目。過去2年に支援実施した小学校での継続実施と、新規4校での実施のため、同国教育・青年・スポーツ省体育科教育の担当行政官であるナショナルトレーナー(NT)の指導力向上のため3つの活動を行いました。
8月に行った新規4校対象のワークショップ(WS)は、岡山市から 名の専門家を派遣し、教員等に運動会のイメージを持ってもらい、実際に自校のグラウンドの計測と用具確認、プログラム作成や実技練習、学校毎の成果発表を行うなど、多様な内容で実用性があり効果的でした。また、9月はNTとその上長を岡山に招聘。岡山市立西大寺小学校、倉敷市立中島小学校の2校で、事前準備を含めた運動会見学と、岡山大学でマニュアル作成のためのWSを実施しました。
継続実施の3校へは、NTによるモニタリングと事前WSにより、規模を縮小しながらも学校教職員のみで準備をすすめ、競技内容にも工夫がみられ、用具の管理や出し入れは児童も担当し、また児童用の水などはPTAや他NGOからの支援による独自予算を確保していました。新規4校については、NT、サブNT、HGスタッフ、派遣専門家3名と学生ボランティア等がそれぞれの学校に分かれ、開催1週間前から現地支援を開始しました。拠点校ではRT(体育主任)が主体的に活動し、他の教員も次第に積極的に関わるようになっていきました。NTが岡山の小学校の運動会で見た「ナイスキャッチ」という競技を取り入れた学校では、道具を一から作り、より多くの児童が参加できるようアレンジしていました。同様に応援合戦も児童がMCを行ったりパフォーマンスをしたり、また各校とも保護者を多く招待し、参加種目も設けられていたりと、これまでの経験が活かされていました。
NT、サブNTは、過去2年間で実施した運動会での経験をもとに、今年度初めて、独自でWSと運動会を2州4校で実施しました。