ハート・オブ・ゴールドは、岡山県・市ナショナルチーム等キャンプ誘致推進事業補助金並びに岡山南ロータリークラブの支援を受け、2017年11月 5日から 11日までの 7日間、カンボジアの車いすランナー 2名とコーチ 1名を招へいして、車いす陸上トレーニングキャンプ(パラキャンプ)を実施しました。
 到着した5日には、アニモ・ミュージアムを訪問し有森代表の陸上にかける想いに触れ、6日は、歓迎式典に出席。ランナー達はメディアからの取材を受け、NHK岡山放送局の「もぎたて!」など、多くのテレビ、ラジオ、新聞で取りあげられました。
 6、7日は、就実大学祇園グラウンドをお借りして、岡山市在住の世界的な車いすランナーである、グロップサンセリテ ワールドアスリートクラブ所属の松永仁志監督兼選手の指導の下、同クラブ所属の佐藤友祈選手、生馬知季選手と共に練習をしました。長距離を走りこんだり、スタートやフィニッシュ、体の使い方などを練習しました。
 8日は雨だったので、グロップサンセリテ社内ジムにおいて、マシンを使って肩の可動域を広げるトレーニングや、レーサーを固定して短い休みを取りながら一定時間を同じピッチで回し続けるインターバル走をしました。また、松永コーチからトレーニング計画や簡単な解剖学などの講義を受けました。
 9日には参加選手とコーチ全員で振返り会を行い、トレーニングで気を付けること、コンディショニングの作り方などを再確認し、お互いにこの 3日間の感想を述べました。
 招へいしたヴァン・ヴォン選手は2016年のリオデジャネイロ・パラリンピックに出場しましたが、ワイルドカードと呼ばれる特別枠で、規定の基準には達していませんでした。また、チョン・プン選手もいろいろな海外の大会に出場していますが、カンボジア国内には優秀な指導者がいないため、なかなか記録が伸びない状況でした。
 今回のトレーニングを実施したことにより、岡山県のトップアスリートからトレーニング方法やハンドリムを回す技術、スタート時の加速を上げる技術等を学び、今後の記録更新に向けてのきっかけをつかむことができました。また、コーチのラック・ロイ氏も、新たな視点で選手の練習を見ることができるようになり、 2選手だけでなく他の選手に対しても学んだことを活かしていけるようになったことと思います。
レーサーの部品に関しては、なかなか障がい者スポーツに対して国からの予算が付きませんが、技能に関しては、大きく向上することができました。参加した 2名は引き続きトレーニングを頑張って、東京パラリンピックで松永選手、佐藤選手、生馬選手に是非会いたいと話していました。
ハート・オブ・ゴールドは、今回のトレーニングの成果をカンボジアでも継続して活かせるよう、年に一度の障がい者短距離陸上競技会や技術力向上のための支援を引き続き実施していきたいと思います。