これまで当会は5年毎の中期計画に沿って段階的な支援活動を展開してきました。開始当初から続くマラソン事業という柱から分岐したスポーツ支援は「スポーツを通じた青少年・指導者育成の祭典」事業へと進展し、5年の歳月を経て本事業に発展しています。
 そのJPPフェーズIはカンボジア教育省の行政官を育成する形で3年間に亘って実施されました。その成果としては、カンボジア国家樹立以来初となる小学校体育指導要領体育編の新訂、挿絵や具体例を盛り込んだ指導書最終案の作成を実現するまでに至っています。
今後は、作成された指導書を使って全国的な普及活動へと歩を進めることとなりましたが、他の教科と違って体育科教育に関してはこれまで支援の手が及ばす、0からの普及を余儀なくされることになります。そこで、まずカンボジアの全24州を5ブロックに分けてブロック毎のリーダー州を設買。そのリーダー州に属する小学校2校と小学校教員養成校1校をモデル州として、ブロック毎の指導を行う計画を立てています。
 計画の第1段階では、如何にして体育科の普及を行うべきかについて検討するために、州教育局の行政官と小学校教員養成校の校長を招いた協議会を実施します。

 計画の第2段階では、それらのブロックを指導して回るナショナルトレーナー(以下NT)を育成するために、当会のプロジェクトマネージャーは勿論のこと、日本の小学校で休育の研究指導会を行う現役小学校教員を派遣し、NTを認定します。
 計画の第3段階では、認定NTによる「指導会の実施」、「モデル校のモニタリング調査」と「フォローアップ指導」を行い、最終的にモデル校の教員がブロック州の教員を招いた研究授業を行うことになっています。
 これまでは子どもの顔が直接見えない活動を地道に続けていましたが、今後はやっと支援の最終受益者である子どもたちを観察することが出来そうです。

 この事叢では、日本体育大学大学院/高橋先生、筑波大学/岡出先生を始め、多くの方に力をお惜りしながら事業を進めています。会員の皆様、これからも応援の程、宜しくお願いします。