1996年アトランタオリンピック直後に、内戦を終え平和を迎えたカンボジアで、地雷の廃絶と被害者支援を目的としたチャリティマラソンを開催するので、走ってほしいと声をかけられました。それが、第1回アンコールワット国際ハーフマラソンでした。私自身、皆様に応援され、支えられてきた人間として、「走ること」を通して社会の役に立てることをうれしく感じました。1998年に組織として多くの人達とともに、国際貢献、社会貢献を続けることが重要だと考え、ハート・オブ・ゴールドを立ち上げました。
世界遺産アンコールワットの中を駆け抜ける大会が、世界から認知され、地雷被災者を支援し、そして最終的にカンボジア人によって国際レースができるように人材育成することを目的に進めました。
16ヵ国、参加者645人で始まった大会が、今では、85ヵ国、12,000人以上の参加者で世界中から愛されるマラソンとなりました。そして、この大会から障がい者、子ども達に多くの支援が続けられています。2013年第18回大会を機に、すべての運営を現地に移譲し、当初の目的を果たしました。今では名誉会長として、毎年参加しています。
先月HG20周年記念式を迎えて、懐かしい多くの方々と来た道を振り返り、これからの道を思いめぐらしました。20年の間には困難なことも多くありましたが、毎回問題と向き合って、とことん話し合い、コミュニケーションを大事にして決して諦めないで続けたことが、人を変え、自分をも変えていったように思います。
20年前は、スポーツを通じての開発活動は、世界的にもほとんど関心が持たれていませんでした。また、カンボジアもスポーツ・体育科教育どころではありませんでした。毎年、マラソンや青少年スポーツ大会を継続することで、子ども達に、スポーツマンシップ、フェアプレイ、協力する楽しみ、がんばる心などが育まれることが見えてきて、カンボジア教育省の人々が体育科教育の実施を強く願うようになりました。
人も世界も変わります。継続は力なり。すべては私の力となり、喜びとなっています。
ともに活動してくださった方々、ご理解、ご支援してくださった方々に感謝して、20年を超えて進んでいきたいと思います。皆様もぜひご参加ください。