2013年にTAO東洋医学研究会(1986年発足、歯科分野で東洋医学を学ぶ者が集うスタディグループ)の同志5名がHeartsofGold(HG)ボランティアスタディツアーに参加したことがきっかけで、NCCCの子ども達のむし歯が多いことに驚き、歯科治療のニーズがあることを聞かされ、翌年から歯科ボランティアを行うことになりました。
14年はNCCCの子ども達の治療を倉橋信太郎、椋梨兼彰、久保茂正の3名で行いました。必要治療用機材はすべて自前で調達、文字通りボランティア活動の始まりです。15年からはチェイ小学校の歯科検診と口腔衛生の予防教育を行うことになり、マンパワーが必要になりTAO東洋医学研究会の会員に呼びかけ参加者は9名に。そしてHGスタディツアーのプログラムの中に歯科ボランティアが組み込まれ、一般参加の人にもお手伝いをしていただくようになりました。参加の皆さまには大変感謝申し上げます。デンタル班は16年は11名。17年は14名と徐々に参加人数を増やしてきました。順調にボランティア活動が大きくなる予感がしていましたが、18年は8名(倉橋、大小原、中田ご夫妻、佐藤、菅原、椋梨、久保)に減ってしまいました。そんな中、心強かったのは、藤沢ロータリークラブから大小原徹会長、ふじさわ湘南ロータリークラブから中田隆之会長、美穂ご夫妻がデンタル班として参加してくれたことです。初参加の菅原勝人先生は海外ボランティア経験者、三年連続参加の佐藤真奈美先生は日本歯科医師会本部理事という肩書きで、ハートペアレントにもなられ、日本歯科医師会で我々の活動を紹介してくれています。活動当初、NCCCの子ども達の歯科治療は抜歯がほとんどでしたが、徹底した口腔衛生教育で歯の大切さを学び、ブラッシングを励行し、むし歯はどんどん減っています。チェイ小学校の歯科検診は歯科医師が4名だったので3名が検診、1名が各教室を回り予防教育を行いました。検診で大切なのは結果記載のアシスタントワークです。スムースに行うには練習が必要で、大小原、中田ご夫妻にはツアー初日から夕食後の自由時間に連日筆記練習をしていただきました。また検診当日、一般参加の芦田様、大倉様におかれましては、遺跡観光を止め、丸一日デンタル班ボランティア活動に尽力していただき感謝申し上げます。一般参加の方には予防教育の際、歯ブラシ、手鏡、歯垢染色用錠剤やお水を配ってもらったり、実際の歯ブラシの動かし方を指導していただきました。マンパワーが必要な部分で我々と共同で作業を手伝っていただき大変助かりました。通訳ボランティアのスタッフ、大学生、日本語学校卒業生の皆さまなど、大勢の力の結晶でボランティア活動ができていることを痛感しています。
検診結果
幼稚園児87名小学校児童450名
合計537名
世界的なむし歯の評価基準になるものにDMFT(1人平均むし歯数)という数値があります。Dは未処置う蝕歯(decayedtooth)、Mは喪失(missingtooth;becauseofcaries)歯、Fはう蝕が原因で処置された歯(filledtooth)の総和を人数で割った数、要するに1人あたりのむし歯経験値です。日本の場合はほとんどがFの治療完了歯ですが、チェイ小ではほとんどがDの未処置歯です。現状チェイ小では一人平均6.9本がむし歯です。また乳歯のむし歯治療はほとんど行われていません。12才時DMFT(永久歯列が完成する12才が世界的比較対象)
2015年6年生4.02016年6年生4.32017年6年生4.02018年6年生3.1(日本国内では1.0を切っています)日本に比べまだまだむし歯の多い現状ではありますが、我々が検診と予防教育に介入してから年々むし歯は減少傾向にあります!
チェイ幼稚園・小学校の生徒一人あたりのむし歯数を表にしました。
最後に、歯科検診票、手鏡を提供していただきました藤沢ロータリークラブ(RC)様、そして歯症ブラシ、歯磨剤、タオル、消毒薬などの支援物資を提供していただきました藤沢RC、(株)イーエックス(、株)さんこうどう(、株)明治、タカラベルモント(株)、SUNSTAR(、株)トミヤ、伊藤歯科器材(株)、GSKグラクソ・スミスクライン(株)の方々に感謝申し上げます。